Japanese
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[訳文]
日本では消化器症状の原因診断のため,あるいは胃・大腸癌のスクリーニングのために,内視鏡,X線造影,US/CT/MRIなどの画像検査が広く普及しています.ここで思い浮かぶのは,これらの検査は費用に見合った効果が得られるのか,あるいは過剰に用いられているのはないかという疑問です.これらの検査が普及していることが,症状や身体所見の臨床的評価という基本から遠ざかってしまうという不幸な傾向(私見ですが)に拍車をかけているのかもしれません:つまり検査ができるのに,何でしないのというように.
臨床医は,検査結果が患者の治療に影響を与えるのかということを考えながら,検査のオーダーの妥当性を常に意識しなければならないと思います.ルーチン化した検査や単にガイドライン通りの検査は,患者に害を与えうる怠惰な思考を促します.詳細な病歴を取り全身の診察をするという昔からの方法は,臨床医に患者のどこが悪いのかという理にかなった考えを可能にします.そして暫定診断を確定または除外するための特定の検査の適応(これは診療録に記載されなければなりません)というものがあるのです.そうしないと消化器患者は内視鏡検査による不便,不安(時として強度の),苦痛,そしてわずかですが出血や穿孔の危険,バリウム検査やCTによる被爆,鎮静薬の副作用,内視鏡を介した感染などに不必要に晒されることになります.
[原文]
In Japan there is widespread use of investigations such as endoscopy, barium studies and scans(ultrasound, CT and MRI)in the diagnosis of the cause of symptoms arising from the gastrointestinal tract, and in screening for stomach and colon cancer.
The obvious question that comes to mind from this is whether such tests are used in a cost-effective way? Or are they over-used?
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