連載 総合診療のプラクティス 患者の声に耳を傾ける・11
海外渡航歴は直近だけでなく遡って聞く
松岡 保史
1
,
見坂 恒明
2
1自治医科大学地域医療学センター総合診療部門
2神戸大学大学院医学研究科地域医療支援学部門
pp.1222-1224
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223582
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患者の主訴に対して病歴を詳細に聞くことは,非常に時間がかかり,遠回りのような気がしてしまいます.しかし実際には,診断・治療への近道となることも多いです.忙しい外来では,経験豊富な医師ほど,今までに経験した臨床像に近い疾患へのスナップ診断を行いがちですが,不明熱など診断に苦慮するものほど,基本に立ち返り,総合診療の武器である問診と診察に時間を注ぐべきです.
今回は,「発熱」で医療機関を受診したものの,診断に至らず当科を再受診し,既往歴や社会生活歴から“ある疾患”を疑い,確定診断できた症例を紹介します.
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