特集 心不全クロニクル—患者の人生に寄り添いながら診る
重症心不全に挑む
【非薬物治療の現状と展望】
経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)
桃原 哲也
1
1公益財団法人日本心臓血圧研究振興会 附属榊原記念病院 循環器内科
pp.1138-1141
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223563
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ポイント
●高齢者の大動脈弁狭窄症(AS)が増加している.特に,CCUなどの集中治療室に入院する心不全の40%強がASで,院内死亡率も疾患別で最も高率である.
●しかし,十分に治療がなされていないことが問題点として挙げられている.
●非専門医が収縮期雑音を聴取した場合は,症状がない時点でも一度循環器専門医に紹介し,心エコーで評価することが大切である.
●重症ASに対して現時点では,大動脈弁置換術(AVR)が標準治療である.
●2回目以降の開胸術や解剖学的な問題などでAVRのリスクが高いあるいは困難な場合は,経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)の適応を検討する.
●TAVIのdeviceは,細径化や周辺からの逆流などの問題点を改善しつつ,急速に進化し良好な成績を収めている.
●外科的に置換した生体弁の中にTAVIを行う“valve in valve”が非常に有効な治療として注目されている.
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