特集 感染症診療 それ,ホント?
入院編
喀痰抗酸菌塗抹検査で1回陰性でも,排菌している肺結核が見つかることがあるってホント?
竹田 宏
1,2
1東京慈恵会医科大学附属第三病院感染制御部
2東京慈恵会医科大学附属第三病院呼吸器内科
pp.914-917
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223507
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ポイント
●結核診断時の喀痰抗酸菌塗抹・培養検査は,日を違えて連続3日間(3連痰)実施する.
●喀痰抗酸菌塗抹検査法では,直接塗抹法より感度・精度の高い集菌法が推奨されている.
●喀痰抗酸菌塗抹検査の陽性率は,患者の病態(排菌量)と採取された痰の品質・性状に依存し,1〜3回と検査回数を重ねることにより,累積陽性率は確率的に増加する.
●画像的に結核を否定できない症例では,塗抹陰性でも安易に否定せず,胃液・気管支鏡下採取検体などの検査を検討する.
●結核診断の遅れは,個々の患者転帰のみならず,社会・公衆衛生に影響を及ぼすことを認識する必要がある.
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