感染症の検査法 わだい
結核における塗抹陽性・培養陰性
青柳 昭雄
1
1国立療養所東埼玉病院
pp.924-925
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205077
- 有料閲覧
- 文献概要
抗酸菌の検査は塗抹陽性であっても,耐性検査ならびに抗酸菌の同定のために培養検査が行われる.培養検査は塗抹検査に比して感度が100倍以上鋭敏であるので,検体中の結核菌の数が少なければ塗抹陰性,培養陽性を示す.しかしながら,優れた抗結核薬の登場以来,塗抹陽性・培養陰性結核菌(smear positive culture negative;SPCN)がしばしば見られるようになった.
SPCNが発現する可能性は工藤によると1),①鏡検の誤り,②培養手技の不備,③低活性菌,④死菌であるとされている.①,②は検査技術上の問題であり,また患者側の要因として抗結核薬が口腔内に残存している際にも見られる.④の場合は問題はないが,③の低活性菌の際は感染性や再燃の点で問題となる.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.