増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
内分泌学的検査
下垂体
ADH(抗利尿ホルモン,バゾプレシン)
庄司 優
1
1明治薬科大学薬効学
pp.342-344
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223303
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検査の概要
抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone:ADH)は視床下部で転写され下垂体後葉系から分泌されるペプチドホルモンで,腎集合管における水再吸収を促進し,体液量と血漿浸透圧を調節する.ADHの産生・分泌の障害は,水利尿をもたらし,脱水や高Na血症を引き起こす.反対に,ADHの分泌過剰は水再吸収を亢進させて進行性の低Na血症と水中毒をもたらす.このように,ADHは水電解質代謝異常症,特に尿崩症とADH分泌過剰症(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone:SIADH)の診療に欠かせない重要な検査である.
ADHは,EDTA-2Na採血から遠心分離された血漿2.2mLを測定検体として二抗体法によるRIA(radioimmunoassay:放射免疫測定法)で測定される.
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