増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
窒素化合物,腎機能検査
Ccr(クレアチニンクリアランス)
相良 明宏
1
,
古市 賢吾
2
,
和田 隆志
3
1金沢大学附属病院腎臓内科
2金沢大学附属病院血液浄化療法部
3金沢大学大学院医薬保健学総合研究科血液情報統御学
pp.185-187
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223247
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検査の概要
クリアランスとは,物質が単位時間あたりどれくらい血液から除去されるかを示す指標である.腎クリアランス低下は,腎での物質の除去能低下を表し,腎機能の障害を示唆する.
クレアチニン(Cr)は主として腎糸球体から排泄される内因性物質である.Crは分子量が113であり,糸球体基底膜を自由に通過し,血清Cr値が高値でない限り尿細管からは再吸収されない.しかしながら,尿中Crの約10〜15%は尿細管より分泌されるため,イヌリンクリアランス(Cin)による真の糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)よりもクレアチニンクリアランス(Ccr)は高値となる.しかし,Crは比較的安定的に測定可能であることから,CcrはGFRの近似として用いられる.
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