増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
窒素化合物
クレアチニンクリアランス(Ccr)
北端 有紀子
1
,
秋澤 忠男
1
1和歌山県立医科大学附属病院血液浄化センター
pp.260-262
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906336
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臨床的意義
クレアチニンクリアランスは,糸球体濾過率(glomerular filtration rate:GFR)の指標として,腎機能や残腎機能の評価,腎不全症例における投薬量の調節などの目的で,外来,入院患者に広く測定されている.
溶質Xのクリアランス(Cx)とは,1分間の尿量(V)とその尿中の濃度(Ux),およびそのときの血中濃度(Px)から,の計算式で求められる.これは,1分間に除去された物質の量は,もとの血漿量にしてどれだけに相当するか(ml/min)を意味する値である.したがって,糸球体基底膜を自由に通過し,尿細管から再吸収も分泌もされず,さらに腎臓で合成も分解もされない,という条件を満たす物質のクリアランスが,正確にGFRを反映する.この条件を満たす物質としてイヌリンがあるが,生体には存在しない物質で,体外からの投与が必要である.一方,クレアチニンは生体内物質で,一部尿細管での分泌を受け,正確なGFRは反映し得ないが,外部からの負荷を必要としないという利点がある.このため臨床ではクレアチニンクリアランスが,便宜上腎機能(GFR)の代替的指標として用いられている.
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