増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
蛋白
骨代謝マーカー—DPD,NTX,CTX,TRACP-5b,BAP,OC,P1NP,ucOC
荒井 誠
1
,
竹内 靖博
1
1虎の門病院内分泌代謝科
pp.155-158
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223236
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検査の概要
骨は常に代謝を続ける組織であり,骨吸収と骨形成からなるリモデリングによりその恒常性が維持されている.骨の状態の評価法の1つに骨密度測定がある.骨密度は成人となってからその時点までの骨代謝の合算,いわゆる積分値であり,必ずしも現在の骨代謝状態を評価する指標とはならない.一方,骨代謝マーカーはその時点での骨代謝回転を反映した,いわゆる微分値であり,現在の骨代謝を評価する有効な手段となる.
骨代謝マーカーを大別すると,骨吸収を反映した骨吸収マーカー,骨形成を反映した骨形成マーカー,および骨質に関連した骨マトリックス関連マーカーに分けられる.これらのマーカーは骨折リスクとの関連が明らかにされている.特に骨吸収マーカー高値は骨密度とは独立した骨折リスクであるとされている.
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