検査データを考える
骨代謝マーカー
牧田 和也
1
,
太田 博明
2
1慶應義塾大学医学部産婦人科教室
2東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.1469-1472
発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906637
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骨代謝マーカーの新たな保険取得
骨代謝マーカーとは,骨代謝動態の基本である骨形成能ないし骨吸収能を血液や尿を用いて評価する指標の総称であり,表1のようなものが挙げられる.すなわち骨代謝マーカーは,骨形成マーカーと骨吸収マーカーの2つに大別される.また骨形成マーカーは骨形成を担う骨芽細胞機能を,骨吸収マーカーは骨吸収を担う破骨細胞機能をそれぞれ反映するものと考えられている.
これらのうちで,骨形成マーカーの1つである血清骨型アルカリフォスファターゼ(bonespecific alkaline phosphatase;BAP)が骨粗鬆症や癌の骨転移を含めた骨代謝異常で保険適応を既に取得している.さらに1999年12月からは骨吸収マーカーの代表である尿中デオキシピリジノリン(deoxypyridilloline;DPD)とI型コラーゲン架橋N-テロペプチド(type I collagen crosslinked N-telopeptide;NTx)が骨粗鬆症でそれぞれ保険適用が認められている.そして,主に骨粗鬆症と診断された患者の骨代謝動態の評価および治療効果判定に用いられるようになっている(表2).
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