連載 総合診療のプラクティス 患者の声に耳を傾ける・8
尿道カテーテルを留置中の患者では尿色の変化に注意
見坂 恒明
1
1自治医科大学地域医療学センター総合診療部門
pp.571-573
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223176
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高齢で寝たきりの患者の診察は難しいです.比較的急性の活気低下では感染症の可能性が考慮されますが,高齢者では発熱がはっきりしないこともあります.また,高齢者の感染症では,誤嚥性肺炎や尿路感染症,胆道感染症にしばしば遭遇します.入院を要した肺炎のうち,70歳台では約70%,80歳台では約80%が誤嚥性肺炎との報告もあります1).
尿路感染症は一般的に,病歴,症状,身体所見,検査所見を総合して診断しますが,高齢者では頻尿・残尿感といった症状や肋骨脊柱角叩打痛などの身体所見を伴わないことがあり,特に尿道カテーテル留置中の患者では,無症候性細菌尿との鑑別がより難しくなります.
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