臨床メモ
脳障害が疑われるときの応急処置
吉井 信夫
1
1慶大脳神経外科
pp.1204
発行日 1968年10月10日
Published Date 1968/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223074
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脳障害が疑われるときには大なり小なり意識障害がみられることが多い,ことに患者が昏睡状態の場合にはその原因をすみやかに決定し適切な処置をとる必要がある.しかし実際にはすぐに診断がつけられないことがある.そこで呼吸・脈拍・血圧・神経をみて応急処置をとることになる.
いちばん重要なのは気道の確保で,吐物・分泌物による気道の閉塞,舌根沈下などが生じたときは,吸引,適当な頭位をとらせる,air wayの挿入などを行なう.これでも呼吸が改善されない場合にはただちに気管切開を行なうべきである.酸素吸入はチアノーゼの有無にかかわらず1分間1-1.5lで行なうとよい.このような処置を行なっても,意識障害や麻痺などの症状が進行する場合には,早めに適当な施設に移送する必要がある.
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