今月の臨床 分娩前後の1週間
エマージェンシー・ケア
19.第3期出血の応急処置
岡田 悦子
1
Etsuko Okada
1
1国立福山病院産科
pp.568-570
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900851
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産科臨床は米国でbloody business(血塗れの仕事)といわれるように出血との戦いである。出血の発生は分娩第3期から分娩終了直後に集中し,母体死亡の最大病因となっている。分娩開始前からの出血では胎盤早剥,前置胎盤など,第3期出血では癒着胎盤など,第3期以後の出血では弛緩出血,頸管裂傷,腟裂傷,会陰裂傷,骨盤内血腫,子宮内反などがあり,胎盤早剥,羊水栓塞,死胎児稽留症候群などによるDIC,ITP,vonWillebrand病など血液凝固障害による出血もある。これら疾患の鑑別診断も治療上重要である。
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