増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
細菌検査
173.感受性試験の読み方
岡田 淳
1
1関東逓信病院・総合検査科
pp.2054-2055
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222862
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感受性検査は感染症の治療における化学療法剤の選択には不可欠の重要な検査である.抗菌剤の開発は目覚ましく,とくに1980年以降にはいわゆる"第3世代セフェム剤",モノバクタムmonobactam,カルバペネムcarbapenem,新キノロンnew quinolone薬などが次々と開発され,難治性感染症の治療に大いに貢献している.反面,これらの優れた抗菌力を有する薬剤の不適切な使用(誤用,濫用,大量投与など)によって,耐性菌の増加や新しい耐性菌の出現を助長することとなった.病院環境の中での耐性菌は年々変還しており,黄色ブドウ球菌(MRSA),腸球菌,緑膿菌などの耐性化が強調されているが,耐性株の出現頻度は施設(病院)により異なる.薬剤感受性試験は原因菌に対して抗菌力をもつ薬剤を選択するために行われるが,裏を返せば耐性菌のスクリーニングが主たる目的である.
本稿は感受性試験の読み方について解説するものであるが,感受性検査法の現状について簡単に説明し,方法別に感受性検査の読み方(成績の解釈)を記すこととしたい.
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