技術講座 細菌
真菌の感受性試験
山口 英世
1
1東京大学応用微生物研究所
pp.339-344
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204460
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サマリー
近年の深在性真菌症発生頻度の増加傾向に伴い,治療に適用される抗真菌剤,とくにamphotericin B,flucytosineおよびmiconazoleについての感受性試験の必要性はますます大きくなっている.抗真菌剤感受性試験法は,原理的には抗細菌性薬剤のそれと軌を一にするが,対象となる病原性真菌の間に形態学的ならびに生理学的に著しい多様性がみられるため,試験法を画一化することはきわめて困難である.試験の実施に際しては,薬剤および試験菌の種類に応じて,接種菌液の調製法と菌量,培地の選択,培養温度と日数,終末点の判定法などさまざまな条件について十分配慮しなければならない.現在,抗真菌剤感受性試験の標準法は確立されていないが,われわれが帝京大医真菌研究センターにおいて新規薬剤の薬効評価に用いている実施法とそれによる成績の一部を紹介した.
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