増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
内分泌機能検査
161.血漿レニン活性
泉 洋一
1
,
本多 正信
1
1日本大学医学部・第2内科
pp.2024-2025
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222850
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●異常値を示す疾患
血漿レニン活性(PRA)は主に高血圧に関連した検査項目に加えられるが,他の疾患や生理的状況においても変化するため,生態のホメオスタシスの状態を知るために参考になる.脳や副腎その他の臓器にもレニン様物質が存在し,何らかの局所的な役割を担っていると考えられるが,臨床上問題となるレニンは腎の傍糸球体装置から分泌されたものである.図1に見られるようにレニンは肝由来のアンジオテンシノゲンをアンジオテンシンIに変える酵素であり,PRAはこの酵素活性を測定したものである.今日,一般的に使用されているのはHaber1)の方法であり,血漿を37℃で1時間インキュベーションして産生されたアンジオテンシンIの量をradioimmunoassayで測定して表している.しかし,実際に血管収縮作用やアルドステロン分泌刺激作用などの生物学的活性を持つのはアンジオテンシンIIである.最近では,モノクロナール抗体により直接レニンが測定できるようになったが,PRAの値と良く相関している2).
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