増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
内分泌機能検査
147.血漿ACTH,Rapid ACTH試験
出村 博
1
1東京女子医科大学・第2内科
pp.1988-1990
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222836
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●血漿ACTH値が異常を示す疾患
ACTHの分泌は,①覚醒時に高い日内変動,②ストレス,および③negative feedback機構の三つによって調節されているが,生理的な基礎分泌は①による.血漿ACTH値は夕刻から深夜にかけて最低となり,早朝覚醒前後に頂値を示す日内変動がある.この間もACTHは平坦にではなく,脈動的(episodicまたはpulsatile)に分泌されている.またACTHの分泌は心身のストレス,食事や運動の影響を受けやすい.以上より血中ACTHの基礎値は,原則として早朝空腹安静時に採取された試料を用いる.正常値は10〜100pg/mlである.
表に示したように異常高値を示す疾患としては,Addison病(結核性および自己免疫性),先天性副腎皮質過形成(副腎性器症候群),副腎皮質ACTH不応症(レセプター病)などで,これらは原発性副腎不全によってnegative feedback機構によって血中ACTH値が増加した場合である.
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