増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
膵外分泌機能検査
145.消化吸収試験
馬場 忠雄
1
1滋賀医科大学・第2内科
pp.1982-1983
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222834
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消化吸収試験は栄養素の消化吸収障害を評価する検査法の総称であるので,栄養素の種類により,同じ栄養素でも用いる物質によりそれぞれ消化吸収試験がある.消化吸収試験は消化吸収に関与する消化器のすべての機能を反映するものであるが,指標とする物質,試験方法あるいは測定試料によって,それぞれの評価は異なる.
栄養素のなかで脂肪は最も複雑な消化吸収過程を経るので,消化吸収障害を受けやすい.したがって,脂肪消化吸収試験は消化吸収障害をチェックする基本的検査である.糖質や蛋白質では消化管内未消化物は腸内細菌により代謝されるので,糞便でこれらを測定しても過少評価され,その結果,消化吸収障害として現れにくい.
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