増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
膵外分泌機能検査
144.PFD(pancreatic function diagnostant)試験
中澤 三郎
1
,
越知 敬善
2
1藤田学園保健衛生大学医学部・第2病院内科
2名古屋大学医学部・第2内科
pp.1980-1981
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222833
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膵酵素の一つであるchymotripsinはタンパク質の芳香族アミンを含むペプチド結合を分解することが知られているが,この原理を膵外分泌機能検査に応用したのがPFD試験である.合成基質であるn-benzoyl-l-tyrosyl-p-aminobenzoic acid(BT-PABA)を経口投与すると,chymotripsinによってn-benzoyl-l-tyrosineとp-aminobenzoic acid(PABA)に分解される.BT-PABAは腸管から吸収されないが,遊離したPABAは小腸で吸収され,肝で抱合を受け,腎から尿中に排泄される.尿中のPABA排泄量を測定し,経口投与量に対する回収率から間接的にchymotripsin活性を知ることができる.PFD試験の実施方法を表1に示す.試薬の経口投与と蓄尿だけで済む簡便なPFD試験は,無管法の膵外分泌機能検査法として広く行われている.正常値ば70%以上である.
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