負荷機能検査・27
PFD試験
山田 律爾
1
,
中井 利昭
1
Ritsuji YAMADA
1
,
Toshiaki NAKAI
1
1獨協医科大学臨床病理学教室
pp.315-321
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911504
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膵疾患は,他の疾患に比べ診断の難しい疾患の一つであるが,近年検査法の開発と普及につれて,また疾患に対する関心の高まりとともにその診断が向上してきた.膵疾患の診断にはパンクレオザイミン-セクレチン試験(P-S試験),内視鏡的膵管造影(ERCP),血管造影,膵シンチグラフィー,CTスキャン,超音波などが用いられているが,前三者は手技がやや煩雑で,また患者に対し苦痛が大きいなどの欠点がみられ,後三者は画像の読みに熟練を要し,またかなり主観が入るなどの欠点がある.その他血液や尿検査として血中:尿中アミラーゼ,血中リパーゼ,さらに血清アミラーゼアイソエンザイム,アミラーゼクリアランス,血中トリプシンの測定も用いられているが,これらも膵機能をなお十分反映しうるものではなく,新しい検査法の開発が待たれていた.
1972年Imondiら1)は合成ペプタイドであるN-ベンゾイル-L-チロシル-ρ-アミノベンズ酸(BT-PABA)を用いる新しい膵外分泌機能検査を発表した.この検査はPFD試験(Pancreatic Function Diagnostant test)と呼ばれ,検査法が簡便で,多数例で可能なため,膵外分泌機能のスクリーニングテストとして広く施行されるようになった.
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