増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
122.マグネシウム(Mg)
野本 昭三
1
1信州大学医療技術短大部
pp.1924-1925
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222811
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Mgはアルカリ土類金属に属し,非遷移金属であるため,配位・共有結合を可能にするような低エネルギーd軌道関数をもった電子をもたず,亜鉛,銅,鉄,などの遷移金属と比較すると,より静電結合の化合物を形成しやすく,窒素より酸素原子を選択する可能性が強い.このような特性をもつMgは,細胞内の酵素的反応(リン酸の受け渡し,とくにATPにかかわるパスウェイ)における活性化因子として,また,アミノ酸の活性化と蛋白の合成に関与し,リボゾームの保全,RNAとDNA反応,正常な筋神経系の働きなどに必須なものである.
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