特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
総論
1 代謝と生理
6)マグネシウム(Mg)
吉田 政彦
1,2
Masahiko YOSHIDA
1,2
1松村総合病院
2順天堂大学医学部腎臓内科
キーワード:
正常値
,
摂取量
,
腸管でのMg吸収
,
尿中Mg排泄
,
内分泌的調節
Keyword:
正常値
,
摂取量
,
腸管でのMg吸収
,
尿中Mg排泄
,
内分泌的調節
pp.1307-1310
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900318
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はじめに
マグネシウム(Mg)は生体内でカルシウム(Ca),カリウム(K),ナトリウム(Na)に次いで豊富に存在する陽イオンである.一方,細胞内陽イオンとしては,Kの次に多く含まれている.Mgはすべての生物にとって必須のミネラルの一つであり,多くの重要な生物学的過程を制御している.賦活体およびエネルギー源としてリン酸代謝過程に密接に結びついており,ことにリン酸代謝に関与する酵素の大部分はMgを必要としている.このようにMgはエネルギーを要する反応とエネルギー産生に深い影響を及ぼしている.また,細胞膜の透過性や神経筋興奮伝導にとっても必須の役割を果たしている.
二価陽イオンであるCaと比較されるが,Caの細胞内濃度が細胞外液の1/100~1/1,000と極端に低濃度であり,自ずと両者の代謝が大きく異なることが理解されることであろう.
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