増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
110.尿酸
中村 徹
1
,
津谷 寛
1
1福井医科大学・第1内科
pp.1892-1893
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222799
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●異常値を示す疾患
生体内では尿酸が産生と排泄との平衡状態にあり,正常人の血清尿酸値(Sua)は一定範囲,すなわち男4〜6mg/dt,女3〜5mg/dlに保たれている.Suaの異常値としては,この範囲を超えて上昇する高尿酸血症と,低下する低尿酸血症とがある.これらの異常は尿酸の産生または排泄の増加または減少,およびそれらの組み合わせによって発生し得るので,これらの成因によって高尿酸血症および低尿酸血症を分類することができる.さらに,これらの病態をきたす原因疾患が別に存在する場合,すなわち二次性高尿酸血症または低尿酸血症と存在しない場合,すなわち一次性のそれらとを区別することができる.それぞれの群に属する疾患とその分類を表に示した.
Suaの異常値を認めた場合に尿酸クリアランス法を行い,尿中尿酸排泄量と尿酸クリアランス(Cua)を測定することは,臨床診療において尿酸の産生と排泄の状態をそれぞれ推測する上に有用である1,2).
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