化学検査のうつりかわり・10
尿酸
柴田 進
1
1川崎医大内科
pp.1122-1127
発行日 1973年10月15日
Published Date 1973/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908249
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尿酸定量の特性
尿酸は下の式に示すようなbiureide(尿素NH2CONH2のHを酸基で置きかえたものをureideという)で,それはmurexide test(試料に少量の硝酸を加えて磁製の皿にいれ,重湯煎上で蒸発乾燥させ,放冷後注意してアンモニアをすこし加えるか,その蒸気をあてるかすると,残渣が深紅色に発色する)によって確認される.過マンガン酸カリウムで酸化されてC1—C6—C5の炭素結合を切られてアラントイン(allantoin)になる.もちろん尿酸を特異的にアラントインに分解する酵素も存在し,これはウリカーゼ(uricase)と呼ばれている.
この酵素は,はじめ哺乳類の肝臓のエキス分のなかに検出されたが,その後細菌や酵母から抽出された.
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