増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
94.血糖
菊池 方利
1
1三井記念病院・内分泌代謝科
pp.1856-1857
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222783
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●異常値を示す疾患
1.高血糖を来す疾患
1)糖尿病 膵ランゲルハンス島のインスリン産生細胞(B細胞)が破壊されてインスリン分泌が不足するインスリン依存性糖尿病(IDDM),およびインスリン分泌B細胞と標的細胞にグルコースに対する感受性の低下が生じるインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)に高血糖が最も生じやすい.
2)その他の遺伝的疾患 糖尿病は遺伝性疾患であり,他の内分泌系遺伝性疾患の一環であることもありえる.膵島B細胞の破壊(膵島炎)は自己免疫機構の破綻によるとの考えが有力であるが,成長ホルモン単独欠損症,汎下垂体機能低下性小人症,多発性内分泌腺症が膵島炎を伴う.嚢胞性線維症やSchmidt症候群は膵島炎のみでなく膵変性を伴う.神経変性を伴うFriedreich失調症,染色体異常症を伴うDown,Turner,Kleinfelter症候群,視神経萎縮・糖尿病症候群などもIDDM併存に近い存在である.
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