増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
免疫血清検査
57.Clostridium difficile毒素
本田 武可
1
,
山下 保喜
2
,
浦 敏郎
2
1大阪大学微生物病研究所・細菌血清学部門
2国立循環器病センター・床検査部
pp.1762-1763
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222746
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●Clostridium difficileと偽膜性大腸炎
抗菌薬起因性大腸炎には,偽膜性大腸炎,急性出血性大腸炎,非特異的大腸炎の3病型が分類されている.これらのうちClostridium(以下C. )difficileは,偽膜性大腸炎の主要な病原菌として注目されている.抗菌薬投与により一種の菌交代症としてC. difficileが腸管内で異常増殖し,多量の毒素を産生(ある種の抗菌薬は毒素産生を促進)し,偽膜性大腸炎が引き起こされると考えられている.ほとんどすべての抗菌薬が誘因となるが,リンコマイシン,セフェムおよびペニシリン系抗菌薬に伴う症例が多い.
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