検査
検査データをどう読むか
堤 寛
1,2
1東海大学医学部病理学教室
2Dept. of Pathology, New England Medical Center Hospital
pp.1056-1057
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222524
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患者:76歳,男性.1987年9月,住民健診の際,右胸部異常陰影を指摘された.問診にて,血痰(2カ月前より),体重減少(7kg/年)と嗄声(期間不明)が認められた.喀痰,咳嗽,呼吸困難,食思不振は認められない.入院後,胸部レ線にて,右肺中葉の肺門寄りに腫瘤陰影を認め,閉塞性肺炎を随伴していた.
図1は,右B5気管支から採取された擦過細胞診所見である.明らかにclass Vと判定できる悪性細胞の,一列に並んだ平面状配列がみられる.核細胞質比(N/C比)が大きく,核膜と核小体が明瞭で,かつ円柱状細胞形を示すことから,腺癌と報告された.
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