今月の主題 内科医のための癌治療のオリエンテーション
固形癌の治療
肝癌
野口 孝
1
,
山際 健太郎
1
,
東口 高志
1
,
横井 一
1
,
今井 俊積
1
1三重大学医学部・第1外科
pp.246-249
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222317
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日本肝癌研究会による2年毎の原発性肝癌の全国登録症例数は第8回調査報告(1984年〜1985年)では7,320例,第7回(1982年〜1983年)のそれは5,567例であって年々増加しており,最近の主要学会ではしばしば肝癌の診断や治療成績の向上に関する主題がとりあげられ重要な課題の1つとなっている.すなわち,原発性肝癌,特にその90%以上を占める肝細胞癌では慢性肝炎や肝硬変などのびまん性肝病変を高率に合併しているため,腫瘍進展度からみた各種治療法の適応を判定するだけでなく,機能的な限界を十分に把握して治療にあたることが極めて重要である.
ここでは肝細胞癌を中心に原発性肝癌取扱い規約(1987年7月改訂版)にしたがって腫瘍進展度や機能面からみた治療法の適応とその成績について述べる.
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