カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断
拡張期僧帽弁逆流を認めたannulo-aortic ectasiaの1例
大木 崇
1
,
福田 信夫
1
,
内田 知行
1
,
恵美 滋文
1
,
小川 聡
1
,
森 博愛
1
1徳島大学医学部・第2内科
pp.2876-2885
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222252
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■心音図・心機図所見
1)心音図と頸動胴皮曲線(図1)
心音図は心尖部〔Apex,左第6肋間前腋窩線(6LAAL)〕,第4肋間胸骨左縁(4L)および第2肋間胸骨右縁(2R)の同時記録を示すが,重要な所見は次の4点である.①心尖部I音(I),すなわちI音僧帽弁成分の減弱,②II音の逆分裂と大動脈弁成分(IIA)の減弱,③2Rに最強の駆出性収縮期雑音〔SM(1)〕と拡張期逆流性雑音〔DM(1)〕,④心尖部に最強の全収縮期雑音〔SM(2)〕と拡張期ランブル〔DM(2)〕.
I音僧帽弁成分の減弱は,本例における僧帽弁狭窄合併の有無を判断する好材料となる.一般に僧帽弁狭窄を合併すれば,僧帽弁の器質的変化がよほど著明でない限り,心尖部I音は亢進を示す.
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