今月の主題 輸液・栄養療法
電解質輸液の基本的ルール
安全限界理論からみた輸液のあり方
佐中 孜
1
,
杉野 信博
1
1東京女子医科大学・第4内科
pp.2756-2757
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222220
- 有料閲覧
- 文献概要
Talbotら1)が輸液の安全限界理論を提唱してから約35年経た現在,多くの臨床医は無意識のうちにこれを実行しているといっても過言ではない.しかしながら,このようなすでに初歩ともいえる安全限界理論を無視した輸液に遭遇することも決して少なくない.
生体が許容できる最大水分量と生体の機能維持に必要にして最少の水分量を予測できれば,水,電解質バランスや栄養障害をきたした患者に対して最も適切な形で治療できるということになる.この理想を求めて,提唱されたのが,Talbotらの輸液の安全限界理論であり,これは諸家によって種々検討され,批判,修正が加えられているが,その基本的な考え方は,変わらない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.