増刊号 診断基準とその使い方
XI.小児
17.特発性血小板減少性紫斑病(小児)
赤塚 順一
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院・小児科
pp.2330-2331
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222107
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■疾患概念と疫学
特発性血小板減少性紫斑病(以下ITPと略)は,末梢血では,血小板減少を認めるが,骨髄穿刺液中の巨核球数は増加,もしくは正常で,しかも血小板減少を惹起するような他の病態,たとえば薬物の使用,急性感染症,播種性血管内凝固症候群,脾腫,あるいは膠原病などを合併しないのが特徴とされている.またITPにおける血小板減少は,末梢血中における血小板の破壊亢進によるものである.
ITPは通常発症からの出血症状および血小板減少の持続期間により,急性ITP,慢性ITPおよび再帰型ITPに3大別される.成人のITPが大部分慢性型でしかも20〜30歳代の女性が多いのに対し,小児では急性型が多く,その大部分がしばしば感染症,特にウイルス感染症経過後に発症するものが多い.成人では男女比は約1:4といわれているのに対し,小児ではほとんど性差がないのも特色である.
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