増刊号 診断基準とその使い方
XI.小児
8.新生児壊死性腸炎
志村 浩二
1
1静岡県立こども病院・新生児科
pp.2306-2307
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222100
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■疾患概念と疫学
未熟な腸管に虚血・粘膜損傷をもたらすperi-natal asphyxiaが関与し,多くはさらに細菌の浸潤,授乳が増悪因子として加わり発症する後天性の消化器疾患である(図).
極小未熟児の救命率向上とともに一時増加傾向をみたが,幸いに本症への関心の高まりと,早期対応により古典的な典型例の発症は減しつつある.一方,突然消化管穿孔をみる授乳前発症例を,重篤な疾患を有する早産例で散見しており,最近では消化管奇形よりも高い死亡率(20〜56%)をみるに至っている.
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