連載 ドクターGとドクターS ~「Generalist⇄Specialist」連携のポイント~
Parkinson病
柿本 麻子
1
,
坪井 義夫
1
1福岡大学医学部脳神経内科
pp.309-314
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_309
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今回のポイント
かかりつけ医の役割 Generalist
✓とくに40歳以上の症例で,運動緩慢,振戦やすり足歩行などがみられればParkinson病の可能性を疑う.
✓早期診断・介入が長期的な予後・QOLの改善につながるため,非運動症状も念頭に置き,Parkinson病を疑った際には自覚症状が乏しい場合でも早期介入を行う.
✓急速なパーキンソニズムの進行がある場合には,薬剤性パーキンソニズムなどの可能性も検討する.
専門医との連携 Specialist
✓Parkinson病の診断にて治療開始後も,L-ドパなどによる治療反応性が乏しい場合や,発症から早期に転倒がみられたり速い症状進行がみられたりする場合はParkinson症候群の可能性も考え,専門医療機関への紹介を検討する.
✓若年例や振戦がみられないような症例など鑑別が困難な症例では,専門医療機関に紹介する.
✓Parkinson病の治療経過中に出現する運動合併症であるウェアリングオフ現象やジスキネジアがコントロール不十分なときは専門医療機関に紹介する.
✓振戦や運動合併症のコントロールが困難で脳深部刺激療法(DBS),L-ドパ・カルビドパ持続経腸療法(LCIG),MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)の適応が考えられるときは専門医療機関に紹介する.
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