特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
5.Parkinson病
水野 美邦
1
1順天堂大学医学部脳神経内科
pp.156-157
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900978
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Parkinson病は,中脳黒質ドーパミン性神経細胞の選択的変性を主病変とする神経変性疾患の1つである.発症年齢は50歳から70歳の間にピークがあり,主な症状は手足の安静時振戦,歯車様固縮,無動,小刻み歩行,前屈姿勢,retropulsion,仮面様顔貌,脂漏性顔貌,小声,便秘などである.無動というのは動作が鈍くなる症状で,なくなるわけではない.
発症は緩徐で,徐々に進行するが薬物療法の発達で日常生活はかなり改善が期待でき,寿命も一般人とほとんど変わらないところまできている.それゆえに,悪性腫瘍,循環器疾患など成人病の合併がめずらしくない.本稿では検査・手術などを受ける患者の薬物療法をどうすればよいかを中心に解説する.
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