増刊号 診断基準とその使い方
IX.腎・尿路
16.原発性糸球体疾患
甲田 豊
1,2
,
荒川 正昭
2
1信楽園病院・腎臓内科
2新潟大学医学部・第2内科
pp.2154-2157
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222035
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■診断基準
腎臓疾患は数多いが,原発性糸球体疾患は最も頻度が高く,予後もさまざまであるため,実地臨床上十分な理解が必要である.原発性糸球体疾患は,しばしばその病型診断について理解し難い印象を与えてきたが,現在はわが国でも,WHO(1982)の分類が多用されるようになった1).
WHOの分類は,臨床概念を症候群として,組織形態概念と明確に区別しており,それぞれ臨床症候群分類(表1)と純粋に形態学的立場からの光顕組織像の分類(表2)を示している.これに加え,わが国で広く用いられている疾患概念(表3)がある.この中には臨床的ならびに病理学的に特徴ある疾患単位として,ほぼ確立している疾患概念がある.
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