増刊号 診断基準とその使い方
V.内分泌
29.偽性特発性副甲状腺機能低下症
福本 誠二
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.1925
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221953
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■疾患概念と疫学
偽性特発性副甲状腺機能低下症とは,副甲状腺から生物活性の低下した副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌されることにより,低カルシウム血症,高リン血症などの副甲状腺機能低下状態が惹起される疾患である.本症で認められる異常なPTHはradioimmunoassay(RIA)で検出され,またこのPTHは低カルシウム血症に反応して分泌が亢進することから,RIAで測定したPTH(immunoreactive PTH:iPTH)値は高値を示す.本症の報告は文献上いくつか認められるが,PTHの特異性の高いRIAがほとんど存在しなかったこと,また異常なPTHの本体が明らかにされた例のないことなどから,厳密な意味での本症は,存在しても極めてまれであると考えられる.
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