増刊号 診断基準とその使い方
I.循環器
11.高血圧性心疾患
村松 準
1
1北里大学医学部・内科
pp.1704-1706
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221867
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■疾患概念
NYHA(New York Heart Association)におけるThe Criteria Committee(1973)によれば,高血圧による心疾患(heart disease due to hypertension)は"持続性の拡張期高血圧があり,左室肥大または左室不全を伴うもの"とされている1).
本態性または二次性の拡張期高血圧が長期にわたって存在すると,左室圧負荷の代償機構として左室肥大(求心性肥大)が生じ,さらに圧負荷が持続すると左室拡大(遠心性肥大)が起こる.そして左室心筋障害を伴うと左室不全が惹起される.また,冠動脈粥状硬化が合併しやすい.虚血性心疾患を伴うと,左室不全または重症不整脈がしばしば認められるようになる.このような,高血圧に伴う心障害の発現はきわめて多様であり,これらは総称して高血圧性心疾患と呼ばれている.
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