今月の主題 高血圧の治療—新しい時代を迎えて
合併症を伴う高血圧—個別治療の実際
高血圧性心疾患
日和田 邦男
1
1愛媛大学医学部第2内科
pp.676-679
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904458
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ポイント
●高血圧患者の左心室は,持続性の後負荷増加に対する適応現象に端を発した求心性リモデリングに始まり,求心性肥大,さらには遠心性肥大へと進展する.この一連の形態変化に対して,左室機能が障害された状態を高血圧性心疾患という.
●求心性リモデリングの段階から拡張機能の障害が始まり,遠心性肥大にいたってさらに収縮機能障害が加わる.
●高血圧が長期間持続して,拡張機能,収縮機能ともに高度に障害されると高血圧性心不全にいたる.
●求心性肥大は,降圧療法によって退縮するが,左室重量係数が200g/m2以上の遠心性肥大は,降圧療法によっても退縮は難しい.
●左室肥大の退縮に有効な降圧薬はACE阻害薬である.
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