増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
11 併存疾患
内分泌・代謝系
甲状腺機能亢進症
吉村 弘
1
1伊藤病院内科
pp.298-300
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205665
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疾患の概要
甲状腺機能亢進症は,甲状腺組織での甲状腺ホルモン産生が高まり,血液中甲状腺ホルモンが増加することにより引き起こされる代謝の亢進と,活動過剰の臨床症候群と定義されている.疾患としてはBasedow病(Graves病),機能性結節性甲状腺腫,TSH産生下垂体腫瘍,妊娠初期一過性甲状腺機能亢進症などがある.
臨床症状としては,微熱,動悸,体重減少,倦怠感などがある.Basedow病では甲状腺腫や眼球突出,複視などの特徴的な眼症状が認められるが,甲状腺機能亢進症とは異なる症状である.しばしば誤診される破壊性甲状腺炎である無痛性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎でも同様な甲状腺中毒症状が認められるが,甲状腺ホルモン産生は亢進しておらず,抗甲状腺薬は無効である.
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