今月の主題 高血圧治療のポイント
特殊な高血圧の治療
腎血管性高血圧の最近の治療方針
阿部 圭志
1
1東北大学医学部・病態液性調節学
pp.1166-1167
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221745
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腎血管性高血圧症は,腎動脈に狭窄病変が生じた結果,腎の灌流圧が低下し,レニン分泌が亢進して高血圧が発症するもので,根治手術可能な高血圧の中で最も発生頻度が高い.かつては腎血管性高血圧症は薬物療法に抵抗性で,外科的療法の不可能なものでは予後が悪かった1).しかし最近では降圧薬の開発が進み,本症でも薬物療法で血圧を下げることが可能になってきている.また,バルーンカテーテルを用い,腎動脈の狭窄病変を拡張させる治療法も可能になってきている2).どの治療法を選択するかは,腎動脈狭窄の病因や程度,部位,範囲,片側性か両側性か,年齢,心血管系臓器の合併症の有無,高血圧の持続期間と重症度などを考慮したうえで決定しなければいけない.
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