今月の主題 免疫不全とAIDS
AIDS
AIDSの病期分類
南谷 幹夫
1
1都立駒込病院・感染症科
pp.2732-2734
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221443
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AIDSはHIV(human immunodeficiencyvirus)の感染に由来する後天性免疫不全症候群で,helper T細胞の破壊減少,機能障害の結果,日和見感染症,悪性腫瘍,脳脊髄障害を起こしてくる複雑な症候群である.
AIDSが発見された翌1982年,アメリカのCDCはAIDSのサーベイランスに必要な報告のためにAIDSの定義を定めて細胞性免疫不全,とくにT4リンパ球数減少,機能不全による免疫異常をきたす病態,例えばカリニ肺炎のような日和見感染症やKaposi肉腫を発症しており,その免疫不全が薬剤や放射線療法によるものでなく,またある種の悪性腫瘍や先天性疾患などによるものではないものとした.その後AIDSの原因ウイルスとして,LAV(Montgnier,1983),HTLV-III(Gallo,1984),ARV(Lavy,1984)が発見され,1986年にはHIVが統一名称に採用され,また検査法が開発されるに及び,1986年には定義を改訂して,HIVが証明されたり,抗HIV抗体が陽性である人にみられる日和見感染症およびリンパ系腫瘍を有するものとした.
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