今月の主題 脳卒中up-to-date
治療
脳血管性痴呆の診断と治療
小林 祥泰
1
1島根医科大学・第3内科
pp.2550-2554
発行日 1987年11月10日
Published Date 1987/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221398
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老年期に痴呆を呈する疾患は欧米ではアルツハイマー型老年痴呆が圧倒的に多いが,わが国ではむしろ血管性痴呆の頻度が高く,老年期痴呆の約60%を占めているといわれている.アルツハイマー型老年痴呆に対しては現在のところ全く治療法がないといってもよい状態であり,症状は確実に進行する.一方,血管性痴呆では痴呆が進行してしまったものを回復させることはもちろん難しいが,進行を抑制したり,また脳梗塞から痴呆に至るのを予防する可能性は残されている.したがって痴呆の治療上からも血管性痴呆を正確に診断することは重要である.
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