ぼけの臨床・11
ぼけのいろいろ—[1]老年痴呆,脳血管性痴呆
井上 修
1
1大阪警察病院神経科部
pp.334-337
発行日 1986年3月1日
Published Date 1986/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921361
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‘老人ぼけ’と‘老年期のぼけ’
‘先生,やはりこの人は老人ぼけでしょうか’と,外来での診療が終わった後で,付き添いの人から尋ねられることが多い.‘ええ,まあそうですね’と,私はまずあいまいな返事をしてしまう.そして,その問いにどう答えるのが適当かを考える.この‘老人ぼけ’という言葉が極めてあいまいだからである.
‘ぼけ’はいろんな時に現われる症状である.‘アルコールぼけ’もあれば,頭を強打した時に起こる‘外傷性のぼけ’もある.脳炎の後遺症としてのぼけもよく知られていることである.
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