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増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
4章 虚血性心疾患
急性心筋梗塞
Acute myocardial infarction
北出 和史
1
1大阪警察病院臨床検査科
pp.458-470
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202977
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基礎知識
冠動脈に狭窄,閉塞が生じて冠血流の低下をきたし心筋への需要と供給バランスが崩れると心臓に障害が生じる.この状態を虚血性心疾患と呼ぶ.発症から2週間以内を急性心筋梗塞(24時間以降2週間までを亜急性心筋梗塞とする場合もある),1カ月以上経過したものを陳旧性心筋梗塞とすることが多い.急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)は冠動脈プラークが破綻して冠動脈内に血栓が生じ閉塞させてしまう急性疾患であり,急性心筋梗塞もこれに含まれる1).心筋梗塞の時間経過は,冠動脈閉塞の約30分後から末梢側から心筋壊死が生じ,心内膜面から始まり心外膜側に広がる.約6〜24時間で貫壁性梗塞(心筋全層)となる.冠動脈が閉塞すると冠血流が低下→心筋代謝異常→拡張機能障害→壁運動低下→左室拡張末期圧上昇→心電図変化→胸部症状が生じ,時間経過とともに起こるこれらの現象を心筋虚血カスケードと呼ぶ.
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