増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅳ 循環器疾患治療薬
心不全
93.利尿薬の使い方
藤原 秀臣
1
1土浦協同病院・内科
pp.1972-1973
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221213
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心不全は心臓が生体に必要とされる十分な血液量を拍出できない状態であり,代償機転として循環血漿量の増大がもたらされ,各臓器のうっ血,浮腫が認められる.すなわち,主として内分泌系の反応を介してのNa+,水の貯留による前負荷の増大が心不全の病態の主要な部分をしめている.一般に心不全の治療は,①心臓の収縮力そのものを増大させるための強心薬,②後負荷,前負荷を軽減させる血管拡張薬,③循環血液量を減少させる利尿薬,に大別される.そのなかで,うっ血性心不全の治療には利尿薬は不可欠な薬剤で,とくにフロセマイドのような強力なループ利尿薬の出現により心不全のコントロールは容易になったといっても過言ではない.
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