増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅱ 神経・筋疾患治療薬
自律神経障害
61.起立性低血圧症の薬物治療
持尾 聰一郎
1
1東京慈恵会医科大学・第3内科
pp.1892-1894
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221181
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起立性低血圧症とは,臥位から起立することによって血圧が下降し,めまい,立ちくらみや失神発作などを生ずるものをいう.この体位変換によって,循環血液が下肢静脈系に貯留し,心臓への静脈還流および心拍出量が減少するためである.その機序としては,静脈貯留の増大,血管運動反射の減弱,カテコールアミンの分泌不全およびレニン・アンギオテンシン系の機能低下などが考えられている.
起立性低血圧症の診断には,Schellong試験が有用である.ベッド上安静臥床時および起立10分後まで,それぞれ2分毎,血圧と脈拍の測定を数回ずつ行う.起立時の収縮期血圧が20mmHg以上下降するものを陽性とする.
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