今月の主題 肝硬変と肝癌
肝癌の治療
エタノール局注療法
真島 康雄
1
,
谷川 久一
1
1久留米大学医学部・第2内科
pp.1616-1618
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221100
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腫瘍内への超音波ガイド下エタノール局注療法,筆者らはこれをPEIT(Percutaneous EthanolInjection Therapy略称ペイト)と呼んでいる.肝細胞癌(以下HCC)に対する超音波ガイド下のPEITは杉浦ら1)の報告が最初で,その後各施設でも行われるようになった2〜4).その理由として,肝動脈塞栓療法(TAE)が非被膜型のHCC,被膜内浸潤または被膜外浸潤した肝癌細胞に対する効果が不確実であることや,TAEによる肝硬変合併HCCに対する3年生存率が必ずしも良くないことなどがある.一方PEITは肝機能に対する影響がきわめて小さく,小HCCでは被膜の有無にかかわらず確実な効果を期待できる.
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