症例から学ぶ抗生物質の使い方
嫌気性菌による呼吸器感染症
高橋 幸則
1
,
北原 光夫
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.742-743
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220919
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症例 58歳,男性.38歳時に糖尿病の診断をうけて以来,インシュリンによる治療をうけていた(インスラタード20U,食事1,800 kcal).しかし,糖尿病の治療はうまくいっておらず,口渇をいやすためにビールを1日7〜8本飲むようになった.また,歯槽膿漏も出現してきたが放置されていた.昭和61年12月初めに発熱を認め,左胸痛が出現したので約1週後に入院となる。咳嗽は著明ではなかった.
入院時には,左側胸部と背部に呼吸音の減弱と声音振盪の消失があった.胸部X線にて左胸水の貯留を認めた(約2l).
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