今月の主題 狭心症—各種治療手段の適応
外科的治療法
A-Cバイパス術
広瀬 一
1
,
川島 康生
1
1大阪大学医学部・第1外科
pp.1526-1527
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220528
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虚血性心疾患に対する冠動脈再建術のうち待機的に行うCoronary Artery Bypass Grafting(CABG)は手術成績も安定し,外科的治療法として確立された.更に最近はCoronary Artery Surgery Study1),European Coronary Surgery Group2)などのグループ研究において生命予後に関する面からこの治療における適応が確立されつつある.
しかしながら薬物治療の進歩とPTCA,PTCRの進歩に伴い従来CABGの適応とされていた症例の一部がこれらの治療にゆだねられるようになった.一方では心筋保護法の発達により手術成績が向上するとともに低左心機能症例,多枝病変例,高齢者へもその適応が広げられてきた.これらの事実はCABG症例の適応領域に変化をもたらしたことは事実である.しかしながら冠動脈造影上形態学的にみた適応は根本的に変化していないと考えられる.
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