今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
免疫からみた呼吸器感染症
AIDSにおける肺病変
河野 茂
1
,
斉藤 厚
1
1長崎大学医学部・第2内科
pp.1156-1158
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220437
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1981年米国で男性同性愛者に後天性免疫不全症候群(AIDS)が初めて報告されて以来,これまですでに15,000人を超える症例が発生し,またわが国においても,1986年2月現在で15症例の報告がなされている.本症における高リスクグループとして同性愛者,麻薬静注者,血友病患者,ハイチ人などが知られているが,最近の疫学調査では,ザイールやコンゴなどの中央アフリカから,ハイチや米国,ヨーロッパへ伝搬したものと推定されている.
1983年Montanierら1)によりリンパ節腫瘍関連ウイルス(LAV)がAIDS患者より分離され,1984年にはGalloらがHTLV-IIIを,LevyがAIDS関連レトロウイルス(ARV)を分離しレンチウイルスがAIDSの原因ウイルスとして報告され,現在のところLAV/HTLV-IIIと表記するとの申し合わせがなされている.
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